こんにちは。福島です。
まずはお礼をさせてください。8月はTokyo Art Beat 20周年アワードの結果発表、およびクラウドファンディングを実施しました。TABの20周年をユーザー・読者の皆さんと一緒に祝いたいという気持ちから始まった企画でしたが、たくさんの方からのご支援、ご協力をいただき、本当にありがとうございました。これからのメディア運営に向けて、とても励みになります。今後ともどうぞよろしくお願いします。充実のインタビューを掲載している20周年特集もぜひご覧ください。
そんな節目(?)となる8月を慌ただしく駆け抜け、その勢いのまま現在ソウルに来ています。フリーズ・ソウル(Frieze Seoul)とキアフ・ソウル(Korea International Art Fair SEOUL)という大きなアートフェアが、ソウルの大型のコンベンション・センター「COEX」を舞台に今週開催。
これに合わせて、ソウル市内の様々な美術館をはじめ、メガギャラリーのソウル支店からインディペンデントなアートスペースまでが、気合いの入った展覧会やプログラムを実施。世界各地からアートピープルにコレクター、アーティスト、アートファンらが集まって、今週のソウルのアートシーンはまさにお祭りの様相です。展覧会のプレビュー、パーティが各地で繰り広げられ、アート関係者はフェア&ギャラリー&美術館ホッピングで大忙し。
さらに今年は、「釜山ビエンナーレ2024」(8月17日〜10月20日)、「第15回光州ビエンナーレ」(9月7日〜12月1日)も同時期に開催されているので、いくつかの都市を周りながらアート巡りをする人も多数います。
韓国は税制の優遇もあり、近年ソウルは世界中のアートビジネスに関わる人々が重視するアジアの拠点となっています。東京圏でも大きなアートフェアはあるものの、その時期に合わせて美術館やギャラリーなどが一斉に気合いの入ったプレゼンテーションやパーティを行うような状況には残念ながら至っていません。こうした韓国の政策や状況から学ぶことは多くあると言えるでしょう。
では、ここでは9月以降開催中の注目の展覧会のリストをいくつかご紹介します。
・リウム美術館「Anicka Yi, There Exists Another Evolution, But In This One」
・リウム美術館「Dream Screen」
リウム美術館では開館20周年記念プログラムとして、テクノロジーと芸術を問う韓国系アメリカ人アーティスト、アニカ・イによるアジア初個展と、アジアのポストミレニアル世代の作家を集めたリクリット・ティラバニがアートディレクターを務めるグループ展を開催。
公式サイト
・国立現代美術館 ソウル館「Connecting Bodies: Asian Women Artists」展
個人的に今回ソウルでいちばん楽しみにしている展覧会はこれ! 1960年代以降のアジアの女性アーティストにフォーカスし、「身体性」という観点からその現在性に迫る企画展。アジア11ヶ国のアーティストによる約130点の作品が集まります。歴史的に非常に重要な展覧会なるのではないかと期待。日本からは草間彌生、田中敦子、イトー・ターリ、田部光子、遠藤麻衣×百瀬文らが参加。
公式サイト
・アモーレパシフィック美術館「エルムグリーン&ドラッグセット:Spaces」
公式サイト
レポートは以下
・アート・ソンジェ・センター「ス・ドホ:Speculations」
公式サイト
・ソウル市立北ソウル美術館「SeMA Omnibus: I Want to Love Us」
公式サイト
・イルミン美術館「IMA Picks 2024」
公式サイト
・Pace 李禹煥(リ・ウーファン)&マーク・ロスコ
李禹煥がマーク‧ロスコの遺族の協力を得てキュレートする二人展。コンセプチュアル
絵画のパイオニア、王光乐(ワン‧グァングル)の個展も開催。
公式サイト
・SongEun Art and Cultural Foundation「Pinault Collection」
ピノー・コレクションの所蔵作品を紹介する展覧会。
公式サイト
・Futura Seoul「レフィーク・アナドル:Echoes of the Earth: Living Archive」
公式サイト
・Gallery Baton「Doki Kim:The Apple and the Moon」
公式サイト
・美學館 Philosopher's Stone「Hana Yamamoto 個展《Offset》」
韓国と日本で活躍する批評家・紺野優希さんが企画。
公式Instagram
ソウルのアートスペース巡りは、紺野優希さんによる韓国・ソウル最新アートガイド(3回連載)もぜひご参照ください!
では、私はこれから光州ビエンナーレを取材すべく、光州へ移動します。光州ビエンナーレは日本パビリオンが初参加ということで楽しみです。それでは!
福島夏子(編集部)
福島夏子(編集部)