公開日:2025年1月21日

【大河ドラマ「べらぼう」】蔦屋重三郎にまつわる展覧会が各地で続々! おすすめ展覧会7選

東京国立博物館の大規模展示や、浮世絵展、江戸の出版文化に迫る展示など。美術館や博物館などで開催される、蔦屋重三郎関連の展覧会を紹介。

1月から放送がスタートした、NHKの大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」。横浜流星が主演を務め、森下佳子が脚本を手がける本作では、江戸時代の出版人・蔦屋重三郎(つたや・じゅうざぶろう、通称:蔦重、1750〜1797)の波乱万丈の生涯が描かれます。

蔦重は喜多川歌麿や東洲斎写楽といった絵師の才能を見出し、売り出したことでも知られる人物。本作の放送にあわせて、全国の美術館や博物館で蔦重関連の展覧会が企画されています。ここでは注目の展覧会をピックアップして紹介します。

*Tokyo Art Beatでは、展覧会・イベントページで「#蔦屋重三郎」展覧会情報を随時更新中。こちらのタグもぜひチェックしてください。

「蔦屋重三郎への道:浮世絵事始め」(越前ふくい美術館、福井)

錦絵以前の浮世絵に焦点を当て、浮世絵がどのように誕生し、江戸の人々がどのように楽しんでいたかに注目する展覧会。浮世絵の祖として知られる菱川師宣から、錦絵を完成させた鈴木春信までの作品を中心に、錦絵の誕生と越前和紙の深い関わりについても紹介する。当時の技法を現在も継承するアダチ版画研究所の作品から、浮世絵と越前和紙の魅力を再発見し、蔦屋重三郎が生きた時代になぜ浮世絵が人気だったのかを知ることのできる展示となる。

会場:越前ふくい美術館
会期:2024年12月18日〜2月24日

「藤沢と江戸の出版事情 ~蔦屋重三郎と絵師たち~」(藤沢市藤澤浮世絵館、神奈川)

藤沢は、東海道五十三次の宿場や江の島道、大山道など主要な交通網があったことから、江戸市中の文化の影響を受け、様々な出版物の題材となった。本展では、同館が所蔵する浮世絵と版本から、江戸市中と藤沢宿、相互の出版事情を紹介する。さらに蔦重の発展の足掛かりとなった版本の展示など、江戸時代における出版事業の第一人者である蔦重についても光を当てる。

会場:藤沢市藤澤浮世絵館
会期:2024年12月24日〜2月24日

「情報、江戸を駆ける!蔦屋重三郎が生きた時代の出版文化」(東京都立中央図書館、東京)

本展では、蔦重が世に出した出版物を取り上げながら、瓦版、浮世絵、見立番付など、江戸期に発達した様々な情報媒体に光を当て、蔦重が生きた時代の出版文化を複製資料によって紹介する。会場では江戸の代表的な版元「蔦屋」の店先を模型で再現するほか、黒船来航や安政の大地震の際に発行された瓦版、江戸期に発行された名所旧跡案内や実用書、絵図などの複製資料を展示。2月22日〜24日は、特別展示期間として、一部の原資料が展示される。

会場:東京都立中央図書館
会期:1月24日〜3月23日

「浮世絵黄金期 -蔦屋重三郎とその時代-」(茂木本家美術館、千葉)

浮世絵の黄金期ともいえる一時代を築いた名プロデューサーとして知られるいっぽう、松平定信による寛政の改革が始まると、出版統制令違反による身上半減という重い処罰を受けるなど、波乱に満ちた人生を送った蔦屋重三郎。本展では、時代の荒波にもまれながらもチャレンジを続けた蔦重が手がけた浮世絵とともに、同時代の浮世絵を展示し、蔦重の生きた時代を振り返る。

会場:茂木本家美術館
会期:2月5日〜3月23日

「北斎×プロデューサーズ 蔦屋重三郎から現代まで」(すみだ北斎美術館、東京)

世の流行を見極めて浮世絵の企画を立て、絵師の起用から彫師や摺師の指揮までを担う版元に光を当て、版元たちが北斎をどのようにプロデュースし、どのような作品を世に生み出したかを辿る展覧会。早くから北斎の才能に目をつけていた蔦重をはじめ、『冨嶽三十六景』をヒットさせた西村屋与八、『北斎漫画』を出版した永楽屋東四郎といった江戸の版元たちや、伝統木版として浮世絵制作、北斎からインスパイアされた現代アーティストの作品が紹介される。

会場:すみだ北斎美術館
会期:3月18日〜5月25日

「潜入! 江戸の浮世絵出版社」(中山道広重美術館、岐阜)

浮世絵の企画・制作・販売を統括した江戸時代の出版社・版元に注目する本展。蔦重をはじめ、佐野屋喜兵衛(喜鶴堂)、竹内孫八(保永堂)、蔦屋吉蔵(紅英堂)、魚屋栄吉といった版元たちの仕事を掘り下げる。また、歌川広重をプロデュースした主要な版元や出版流通の様相を紹介するとともに、絵師・彫師・摺師による浮世絵制作の裏側を探る。

会場:中山道広重美術館
会期:4月3日〜6月15日
公式サイト:https://hiroshige-ena.jp/annual-schedule2025/

「蔦屋重三郎 コンテンツビジネスの風雲児」(東京国立博物館、東京)

本展では、本だけでなく、優れた作者を育て、時代そのものを作り上げた蔦重の活動を見つめ、その全体像を約250作品を通して紹介する。浮世絵黄金期と呼ばれる18世紀末の浮世絵界を代表する名品が一堂に揃うほか、大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」とも連携し、ドラマの世界を再現。蔦重が活躍した頃の江戸の街にタイムトリップしたような空間を作り上げる。蔦重が江戸時代後期の出版文化の一翼を担っていただけでなく、その価値観や芸術性がどのようなものであったのかを体感できるような展覧会となる。詳細はこちらのニュースから。

会場:東京国立博物館
会期:4月22日〜6月15日

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