公開日:2025年1月17日

【新拠点】 UESHIMA MUSEUM ANNEXが渋谷にオープン。今津作品のなかでも最大級の作品を含む12点が揃う

会期は1月15日〜3月末予定。今津の活動初期にあたる2000年代後半から現在までのおよそ20年弱のキャリアを大まかに辿る構成となっている

会場風景より、今津景《生き残る》(2019) 撮影:編集部

2024年6月、渋谷教育学園の敷地内に開館したUESHIMA MUSEUM。その新施設UESHIMA MUSEUM ANNEXが今年1月15日、渋谷区千駄ヶ谷にオープンした。会期は3月末まで(予定)。

会場風景より、左から《Mermaid of Banda Sea》(2024)、《Drowsiness》(2022)、 《Survivor | 生き残る》(2019) 撮影:編集部

オープニングを飾るのは、2020年にフランスのアワード「Prix Jean François Prat」のファイナリストに選出され、2022年には「ドクメンタ15」に招聘されるなど、現代日本を代表する美術作家のひとりである今津景。本展は、東京オペラシティ アートギャラリーで開催中の大規模個展とも時期を合わせ、今津の作品のなかでも最大級の《生き残る》(2019)を含む同館の今津作品コレクション12点すべてを展観するものだ。

会場風景より、《光から逃れて》(2008) 撮影:編集部

本展は、今津の活動初期にあたる2000年代後半から現在までのおよそ20年弱のキャリアを大まかに辿る構成。今津が日本からインドネシア・バンドゥンへと活動の拠点を移し、異地の自然、宗教、文化、歴史に触れ自身のルーツをとらえ直し、出産を経て育児と並行しながらの制作環境へと多くの変化を経験していったことは、作品のなかでも大きな影響となって表れている。

会場風景より、《Orange Desert on Blue Sheet》(2009) 撮影:編集部

UESHIMA MUSEUM両館館長の植島幹九郎は、本展ステートメントのなかで以下のように述べている。

各年代ごとの作品に描かれているモチーフに変化が見られるとすれば、それは今津自身を取り巻く環境や社会に対する問題意識の変遷として捉えることもできるでしょう。インドネシアと日本という二つの国・地域が今津の精神の深部で繋がっていくに伴って、選び取られるモチーフは多様性を増し、一枚の絵画の中で語られるものは重層性を強めています。本展において、現在を生きるひとりの人間として、その同時代性を鮮やかに表象し得る稀有な美術家として、今津景のアクチュアリティに支えられた鋭い批評の眼差しを読み取っていただければ幸いです。

UESHIMA MUSEUM、UESHIMA MUSEUM ANNEXともに現展覧会の会期は3月末まで。あわせて訪れてほしい。

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