詩人の谷川俊太郎さんが11月13日、老衰のため死去した。享年92。
谷川さんは、1931年に哲学者・谷川徹三の長男として東京に生まれる。高校時代に詩作を始め、高校卒業後に詩人としてデビュー。1952年に第1詩集『二十億光年の孤独』を刊行する。以降、数千におよぶ詩を創作し、多数の詩集を発表したほか、絵本や翻訳、エッセイ、脚本、作詞など幅広く活動した。1983年に『日々の地図』で読売文学賞、1993年に『世間知ラズ』で萩原朔太郎賞、2010年に『トロムソコラージュ』で鮎川信夫賞など受賞多数。作詞を手がけた『月火水木金土日の歌』は1962年に日本レコード大賞作詩賞に選出された。『生きる』『朝のリレー』など、国語の教科書に採用された詩も多い。
さらに『鉄腕アトム』や『ハウルの動く城』といったテレビアニメや映画主題歌の作詞も手がけたほか、翻訳書としては、『マザー・グースのうた』や、『スイミー』をはじめとするレオ・レオニ作品、スヌーピーのマンガ『ピーナッツ』など、現在も日本で親しまれている作品を多く手がけた。2018年には東京オペラシティ アートギャラリーで大規模な展覧会「谷川俊太郎展」が開催。書き下ろしの詩や小山田圭吾、中村勇吾(tha ltd.)らとのコラボレーションなどが展示された。また、2023年に絵本をテーマにした展覧会「谷川俊太郎 絵本★百貨展」が、東京・立川のPLAY! MUSEUMで行われ、全国を巡回。現在は山口の周南市美術博物館で11月24日まで開催されている。
息子である作編曲家・ピアニストの谷川賢作さんのX(旧Twitter)の投稿によると、葬儀は故人の生前の意志により、近親者のみにて執り行われ、後日「お別れの会」の開催が予定されているという。