公開日:2024年2月15日

フランス現代絵画の巨匠・ピエール・スーラージュと、兵庫県出身の書家・森田子龍による2人展が、兵庫県立美術館で開催

ピエール・スーラージュの“日本初公開”も。国際交流は何をもたらし、文化的なアイデンティティはいかにして生まれるのか。「スーラージュと森田子龍」の会期は3月16日~5月19日。

ピエール・スーラージュ Brou de noix sur papier 63×50cm 1949 スーラージュ美術館蔵 © Adagp, Paris/ Photo : musée Soulages, Rodez/ Christian Bousquet、森田子龍 蒼 1954 国立国際美術館蔵

「スーラージュと森田子龍」兵庫県立美術館にて、3月16日〜 5月19日に開催される。戦後の抽象絵画を代表する画家のひとり、ピエール・スーラージュ(19192022)と「前衛書」の旗手として世界的に知られる書家・森田子龍(19121998)の2人展だ。彼らは、森田の編集する雑誌『墨美』(1951年6月創刊)を通じて交流し、互いの表現の共通点と相違点について考えを深めていった。

チラシ画像
森田子龍(左)とスーラージュ(中央) 1963年、パリにて

スーラージュは、パリのルーヴル美術館で2019年から2020年にかけて個展が開催されるなど、フランスの国民的な画家として人気を誇っている。また今回、スーラージュ美術館から出品される17点のうち16点は、日本初公開の作品。また1951年に日本で初めて展示された作品も約70年振りに来日する。いっぽう、森田子龍の展覧会が、兵庫県神戸市で開催されるのは約30年振り。約30点の作品が、兵庫県立美術館に一堂に会することとなる。

兵庫県立美術館

戦後まもない頃、海外の抽象画と日本の前衛書は、国境やジャンルを越えて、同時代性を示しており、『墨美』でも、1950年代の欧米の抽象絵画を次々と紹介してきた。国際交流は何をもたらし、文化的なアイデンティティはいかにして生まれるのか。本展では、2人の作品約50点に加え、書籍や日記などの資料を通して、芸術家の出会いを考えていく

ピエール・スーラージュ Brou de noix sur papier 63 x 50 cm, 1949 1949 スーラージュ美術館蔵 © Adagp, Paris/ Photo : musée Soulages, Rodez/ Christian Bousquet
森田子龍 坐俎上 1953 兵庫県立美術館蔵
森田子龍 蒼 1954 国立国際美術館蔵

関連イベントとして、記念講演会や学芸員による解説会なども充実。若い世代の方にも機会を与えるべく、大学生の観覧料は、本展に限り特別に1000円(前売り800円)、高校生以下は無料となっている。

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