公開日:2024年3月28日

森美術館「ルイーズ・ブルジョワ展:地獄から帰ってきたところ 言っとくけど、素晴らしかったわ」が9月開催へ。約100点に及ぶ作品群を紹介

会期は9月25日~1月19日。日本で27年ぶり、国内最大規模の個展。約100点に及ぶ作品群を紹介し、活動の全貌に迫る。

ルイーズ・ブルジョワ ママン 1999/2002 ブロンズ、ステンレス、大理石 9.27×8.91×10.23m 所蔵:森ビル株式会社(東京)

森美術館ルイーズ・ブルジョワ展:地獄から帰ってきたところ 言っとくけど、素晴らしかったわが、9月25日~1月19日にかけて開催される。

20世紀を代表するもっとも重要なアーティストのひとりであるルイーズ・ブルジョワ。98歳で他界するまで制作を続けた彼女は、幼少期に経験した複雑でトラウマ的な出来事をインスピレーションの源に、記憶や感情を呼び起こすことで普遍的なモチーフへと昇華させ、希望と恐怖、不安と安らぎ、罪悪感と償い、緊張と解放といった相反する感情や心理状態をインスタレーション、彫刻、ドローイング、絵画で表現した。

本展は、様々なアーティストに多大な影響を与え、世界の主要美術館で展示され続けるルイーズ・ブルジョワの日本で27年ぶり、国内最大規模の個展約100点に及ぶ作品群を紹介し、活動の全貌に迫る。

ルイーズ・ブルジョワ ヒステリーのアーチ 1993 パティナ、ブロンズ 83.8×101.6×58.4cm 撮影:Christopher Burke ©The Easton Foundation/Licensed by JASPAR and VAGA at Artists Rights Society (ARS), NY
ルイーズ・ブルジョワ 堕ちた女(ファム・メゾン[女・家]) 1946-1947 油彩、リネン 35.5×91.4cm 撮影:Christopher Burke ©The Easton Foundation/Licensed by JASPAR and VAGA at Artists Rights Society (ARS), NY
ルイーズ・ブルジョワ 父の破壊 1974 アーカイバル・ポリウレタン樹脂、木、布、照明 237.8×362.3×248.6cm 所蔵:グレンストーン美術館(米国メリーランド州ポトマック)(2017年展覧会用複製) 撮影:Ron Amstutz ©The Easton Foundation/Licensed by JASPAR and VAGA at Artists Rights Society (ARS), NY

展示は創造の源であった家族との関係をもとにした3つの章で構成。第1章「私を見捨てないで」では母との関係、第2章「地獄から帰ってきたところ」では父との確執、第3章「青空の修復」では、家族の関係性の修復と心の解放がテーマとなっている。

各章をつなぐ小スペースでは、初期作品を年代順に紹介。メトロポリタン美術館(ニューヨーク)ベルヴェデーレ美術館(ウィーン)で展示され、近年世界的に関心が高まる初期絵画作品群も展示される。

ルイーズ・ブルジョワ 家出娘 1938頃 油彩、木炭、鉛筆、キャンバス 61×38.1cm  撮影:Christopher Burke ©The Easton Foundation/Licensed by JASPAR and VAGA at Artists Rights Society (ARS), NY

本展の副題「地獄から帰ってきたところ 言っとくけど、素晴らしかったわ」はハンカチに刺繍で言葉を綴った晩年の作品からの引用。感情のゆらぎや両義性を暗示しつつ、ブラックユーモアのセンスを感じさせ、生きることへの強い意志を表現する作品群は、私たちが直面する、時に「地獄」のような苦しみを克服するヒントを与えてくれる。

ルイーズ・ブルジョワ 無題(地獄から帰ってきたところ) 1996 刺繍、ハンカチ 49.5×45.7cm 撮影:Christopher Burke ©The Easton Foundation/Licensed by JASPAR and VAGA at Artists Rights Society (ARS), NY

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