イギリス・ロンドンのヴィクトリア・アンド・アルバート博物館(通称V&A)において、同館初となる男性ファッションをテーマにした大規模展「Fashioning Masculinities: The Art of Menswear」が開催される。会期は2022年3月19日~11月6日。
本展はグッチをパートナーに迎え、ファッションを通してどのように「男らしさ」がかたちづくられてきたのを問い直す。展覧会には、伝説的なデザイナーたちによる現代的なルックに加え、V&Aが所蔵する彫刻と絵画、写真や映像といったコレクションが集結するという。会場は「Undressed」「Overdressed」「Redressed」という3つのセクションによって構成され、100点を超える衣装と美術作品が展示される予定だ。
まず、「Undressed」では、男性用下着と身体の関係性を通じ、ヨーロッパにおいて古典的な男性像がどのように構築されてきたのかを探る。続く「Overdressed」においては、上流階級の男性ファッションを中心に、「男らしさ」をめぐる観念とその変化を歴史的にひもといていく。最後の「Redressed」では、イギリスの伝統的なテーラリングや軍服から現代のファッションデザインまで、多様な男性ファッションのあり方を紹介する。
ファッションの展覧会と聞くと、どうしても女性用の煌びやかなドレスやハイヒールが思い浮かぶかもしれない。しかし歴史を振り返ってみれば、男性たちこそが華美に装い、創意工夫に満ちた衣装を纏っていた事実が浮かび上がってくる。
「Fashioning Masculinities: The Art of Menswear」は、ファッションを通じて「男らしさ」の体現と克服に真正面からアプローチした貴重な展覧会となりそうだ。